第39回 たくさんの生き物に出会おう。

2017年度 課外授業 ~春・夏編~

「たくさんの生き物に出会おう。」
というテーマで今年度の課外授業が始まりました。

春の課外授業は、子ども達が現地スタッフさんたちとの再会をとても楽しみにしている大和自然学校へ。子ども達を大きな愛情で受け入れて下さるスタッフさんたちには毎回感謝の言葉しかありません。

今年は子ども達が「とってもいい?」「持ち帰ってもいい??」と興味津々の「おたまじゃくし」をみんなで観察しました。
どうやって足が生えてくるのかな。何を食べるのかな。
満開の桜の下で図鑑を広げて調べてみます。
教室では「○○から見た春夏秋冬」という物語作文に3年生が取り組んでいるのですが、そのテーマとして「おたまじゃくし」「カエル」を取り上げてくれた子がいました。大和村から電車に揺られて持ち帰ったおたまじゃくしを大切におうちで飼育しながら、おたまじゃくしの気持ちや反応を、とてもリアルに描いていってくれています。
学んだこと、体験したことを頭の中で、体の中で、ぐるぐる回す!
そこにぽん、っと出てくる言葉の数々は本当にみずみずしくておもしろいのです。


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夏は北杜市オオムラサキセンターへ。
2人1組で虫取り網とかごを持ち、里山へ出発。
スタッフの渥美さんから、虫の見つけ方から、網とかごの使い方にいたるまで
虫とりの方法を伝授していただきました。

「静かに座って、静かにまわりをみてみよう。」
「ぼろぼろの葉っぱの近くには、生き物がいることが多いんだよ。」

大きなコナラの樹液に群がる大きなカブトムシたち。
いたるところに穴が開いた葉っぱは、虫たちが作った芸術作品。

実はここに来る前にたくさんの子ども達から
「虫が苦手だから行きたくない。」
と言われていたのですが、実に2時間もの間、子ども達は飽きることなく網を片手に夢中で虫を追いかけていたのでした。

「虫が苦手な人はさわらなくっていいよ。触る勇気がなくっても、そっと観察してみよう。意外とかわいい顔をしているんだな、って気づくこともあるんだよ。」

お気に入りの虫をカプセルに入れて、みんなで作った「トトロ昆虫館」。
渥美さんの言葉の通り、カプセル越しに見つめた虫の姿や表情は神秘に満ちていました。
その後目を閉じて、口を閉じ、みんなで虫と向き合う時間を。静かな里山に、セミの鳴き声が響いていました。

最後に里山の話を渥美さんから聞きました。
オオムラサキセンターでは、オオムラサキが暮らせる森を未来につなげるために、雑木林の間伐やササ刈りを行ったり、伐採後放置された林にエノキやクヌギの苗を植樹したりする活動を続けているのだそうです。

かつて私も、故郷の神戸で里山活動に参加していました。
間伐した木で工作をする。
間伐材を薪にして、ピザやバウムクーヘンを焼く。
下草を刈って草木染をする。つるをとってかごを編む。
森の手入れをしながら森で遊ぶ。環境問題を語る前に、まず森と友達になる。
そうすることで手入れ前は真っ暗だった森の中に、多くの草花や生物たちの生命が宿りました。

お昼に手作りピザを食べました。その後、今日の記念にバードコールを作りました。
ピザを焼く薪も、バードコールの材料も、間伐材です。さっそく外に飛び出して鳴らしてみる子ども達。鳥は来なかったけれど、ちょうちょがやってきた!と大喜びでした。
ザリガニ釣りをしたり、ドクターフィッシュに触れたり、ヘラクレスオオカブトを触らせてもらったり。1人1人が、様々な生き物たちと一緒に過ごした一日でした。

苦手、と言いながらも、実は、本能的にそれが大切な「仲間」であることを知っているのかもしれません。はるか昔から人間は生き物達と、また植物と、もっと大きく言うならば自然と一緒に寄り添って生きてきました。
ツリークライミングに行った時、あっという間に大きな木に身を預けて楽しむ姿をみたときもそう感じたのですが、今回、あんなにも嫌がっていた虫たちを愛しそうにながめる子どもたちを見て、なんだかそんな気がしたのでした。

オオムラサキセンターのスタッフの皆さま、本当にありがとうございました。
 

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