岩崎 美紀(作文倶楽部トトロ)


iwasaki.jpg

教室だけではなく公園や美術館、プラネタリウムにも学びの場を広げ、ユニークな発想と五感を使う表現力を大切に指導されている作文倶楽部トトロの岩崎美紀先生にお話しを伺いました。

作文倶楽部トトロのレッスン内容を教えてください。

「作文」と聞くと原稿用紙をまえに何を書こうかと頭を悩ませる様子をイメージされる方が多いと思うんですけど、実際の教室の様子はというと実はそうではないんです。「擬音語」の授業では実際に野外へ自然の音をさがしにいったり、絵本の世界を再現するためにストーリーの中に登場する大きな大きな船をみんなで作ったり、ああでもない、こうでもないとクラスみんなでディスカッションしたり・・・。とってもアクティブでにぎやかですよ。何よりも「書く」までのプロセスを重視しているんです。「書きたい!」と思えることを自分の力で見つけることができたらあとはもう大丈夫。大人がとやかく言わなくても、子どもたちはすーっと原稿用紙に向かっていけます。文章の書き方のノウハウだけを伝えても何も変わらない。大切なのは「考える力」をつけることだと思っています。

作文を教えようと思ったきっかけは?

「書く」ことに出会ったきっかけは、4才のときにおじいちゃんに買ったもらった一冊の日記帳。冊数が増えていくことがうれしくて、誰に言われるでもなくなんだか毎日書いていましたね。そのうち、何かを考えたり、何かすてきなことがあったりしたら、カメラで記念写真を撮るのと同じようにそのときのことを文章に残しておきたいなと思うようになっていきました。大学を卒業してから生まれ育った神戸を離れ、名古屋にある会社に就職しました。作文、理科実験、フィールドワーク、野外キャンプ・・・。様々な角度から感性教育にとりくんでいるスクールでした。あらゆるコースを担当しましたが、やっぱり私は子ども達の魔法の言葉が次々飛び出す「作文」にぞっこんでした。結婚退職したんですが、いつかぜったいに作文教室を始めるんだって心に決めて山梨にお嫁にきました。

まだ文字が書けない小さな子供も心配なく教室に通えますか

はい。大丈夫です。たいてい、ひらがなを覚える時って「あいうえお かきくけこ・・・」って練習するんですけどなかなか身につかないんですよね。でも、例えば大好きな新幹線を見て「しんかんせん」って書きたい!!って思ったら他の字はわからなくても「しんかんせん」って書けるようになるものなんです。この「書きたい!!」が学ぶ意欲をかきたてるんでしょうね。この意欲をめいっぱい引き出していける授業をやりたいと思ってます。

今後の展望などお聞かせ下さい。

子ども時代にしか見えないこと・感じられないことがきっとある」 宮崎駿監督の代表作「となりのトトロ」にはこんなメッセージが込められているのだそうです。何気ない日常が、ドキドキしたものに変わる瞬間。そんな瞬間を、子ども達と一緒にたくさんたくさん共有していけたらいいなと思っています。 そのためには何と言っても、人と人とのつながりが大切です。生徒さんの家族はもちろん、科学館、文学館、美術館・・・地域の方々の力をお借りしながら、わくわくするような素敵な授業を作り上げていけたらいいですね。 来春、教室の第一期生の子ども達が大学生になります。部活や模試の合間をぬって教室に通い続けてくれました。彼らには今後も、小学生のよきお兄ちゃん・お姉ちゃんとして課外授業等でスタッフとして関わっていってもらうつもりです。こんなふうに、人と人がずっとつながっていられる教室でありたいと願っています。 そして、この7年間の間に私自身も母親という立場になりました。今日、自分の子どもがこんなことを言った、こんなことをした・・・そんな、一つ一つの出来事が親にとっては宝物なんだと実感する日々です。小さな教室ですが、だからこそ一人ひとりのお子様たちの言葉にじっくり耳を傾けていけるように、そしてその言 葉をお父さん・お母さんにお伝えして一緒に成長を喜び合っていけるように、努力していけたらと思っています。

プロフィール

神戸市出身 立命館大学卒。 次世代教育を展開する株式会社モノリス(名古屋)・シーガルスクールで作文指導にあたる。 2002年には野外キャンプの中での作文カリキュラムも立案 。

作文倶楽部トトロ

詳しくはこちらをご覧ください。