第29回 美術館を探険!
毎年、とっても素敵な体験をさせていただいている県立美術館。
今年は、夏と冬の2回、お世話になりました。
夏休みは、美術館の五味先生によるワークショップを受講しました。
美術館に飾られている、絵や彫刻の写真60点あまりが印刷された「アートカード」。
まず、カードを机の上に広げます。
「小さな家が見えます。もうすぐ夜が明けそうです。さて、どの絵でしょう??」
先生が一つ一つヒントを読み上げてくれると、子ども達はいっせいにその絵を探し始めます。
その後、先生は「形容詞」が書かれたカードを読み上げました。
「暗い。」「暗いなあと思う絵を選んでください!」
「新しい。」「新しいと思う絵はどれかな?」
ある子は「これかな?」またある子は「いや、こっちじゃないかな??」
そして、一人一人がその形容詞にぴったりの絵を見つけ、
「ここがこんなふうだから私はこの絵を選びました」
とみんなの前で発表します。
「いや、ぼくはこっちだと思うよ。」
という意見があればそこで発表しあいます。
同じ言葉を聞いても、感じ方・とらえ方は人それぞれ。
だからおもしろいのです。
答えは一つではない。あなたはどう思う??
それを「言葉」で伝え合う授業でした。
次はカードを使って神経衰弱です。
二枚の絵をひきます。
その絵を見比べて、二枚の絵に共通する何かを探し、発表します。
絵の中の人物の表情だったり、風景だったり、ただよってくる空気だったり、様々です。
「なんでこんなに悲しそうな顔してるんだろ??」
「空の色が変わってきてる。」
絵をじっくり見つめます。
そうすると、不思議なことに今まで考えもしなかったたくさんの物語が、一枚の絵に込められていることに気づきました。
いろんな発見。いろんな感動。
絵の力は無限大です。
そしてその後、生誕200年「ミレー」展へ。
アートカードで触れた絵が、たくさん目の前に広がっていたので、
みんな夢中になって見ていました。
その後は文学館でミレーの「種まく人」の絵をもとに、
「なにをまいて、どうなったんだろう」というショートストーリーを作り発表しました。
「ポト。」その種は一日ですくすくとのびて、三日で木になりまし、すぐに花に実がなりました。すると実がポトポト落ちていきました。地面に落ちると、お花畑になりました。動物たちが集まってきて、いっぱい遊びました。
27通りの「種まく人」の物語の完成です。
季節は巡り、冬になりました。
美術館のまわりにあるたくさんの彫刻を見に行きました。
五味先生にいただいた「彫刻探険マップ。」
問12 岡本太郎が作った「樹人」という作品です。この作品はふしぎな木のように見えたり、人のように見えたりもします。あなたには何に見えますか?
「メレンゲ!」
「ソフトクリーム!」
「花のつぼみ!」
「かにの集団!」
・・・・・。
彫刻を見上げたり、触ってみたり、作品に込められた意味を想像してみたり。
わくわくするような、楽しい探険でした。
探険の途中に、大きた大きな霜柱をみんなで見つけました。
迷わずいっせいに踏み始める子ども達(笑)
「ふんだらざくざく。さわったらカチカチ。つめたかった!すきとおってきらきらしてた!」
とっても寒かったけれど「ああ、冬が来たんだなあ。」と実感する、そんな一日になりました。
いつもたくさんの発見と感動をくれる美術館。
目には見えない宝物がいっぱいいっぱいつまった場所です。
あの霜柱を見つけた公園には、もうきっと、春の訪れが来ていることでしょう。
今年もみんなで出かけたいと思います!
2015年3月13日